Vol.27 パッソス コウテーロ ペドロさん(ブラジル)

東京も急に寒くなった12月上旬、「レンタサイクルでやって来ました」と元気に登場し、インタビューに答えてくれたブラジル出身のペドロさん。陽気な笑顔にすぐに引き込まれました。

 

― 日本の反対側に位置するブラジルから来日したきっかけは?

▲インタビューの様子

高校生の時に母国語のポルトガル語と英語以外の言語を勉強したいと思い、日本語の勉強を始めました。地元の大学に通いながら、国費の留学制度を4度受験。年齢制限の上限となる20歳の時に無事合格し、21歳で来日しました。
茨城県の筑波で学生生活を送ったのち、卒業後は静岡県の企業に就職し、しばらく静岡に在住。その後、東京でやりたいことがあり1年前に大田区へ転居しました。来日12年目となり、現在32歳。日本=母国とはまた違いますが、大人になってから人生を築いた国。これからも住み続けたいと思っています。

 

― 日本で教員免許を取得!

母親が小学校の教師でしたので、教師という職業に対してポジティブな印象を持っていました。働きながら、日本の通信大学で2年間勉強。昨年5月に教育実習も終えて、中学校・高等学校の理科の教員免許を取得することができました。ブラジルでは、日本でいう高専に通っていたので、理科の教師を目指すことは自然な流れでした。

 

― 趣味は、バイクと料理

趣味はバイクで、一昨年は休暇を使って西日本を1週間ツーリングしました。日本は海と山が近く、地元のリオデジャネイロとよく似た地形です。特に、名古屋や広島、静岡の町並みが好きです。数カ月前、念願だった九州・大分県の別府温泉にも行きました。今後は、福岡にも足を運んでみたいです。
また一人暮らしなので、料理もよく作ります。毎日、職場にお弁当を持参しています。日本の食材は良いですね。高野豆腐やお麩が好物で、料理ブックを読んでレシピを学んでいます。ただ「日本人はもっと豆を食べましょう」と感じることもありますね。ブラジル料理は豆を使ったものが多く、日本では豆腐や納豆のように加工されることが多いですが、豆そのものをもっと味わってほしいと思います。

▲ツーリングでの一枚

▲ペドロさんお手製の弁当


― 「四季」があることを実感

▲雪だるまと記念撮影!

日本に住んで驚いたことは、四季があることです。教科書で読んで知っていましたが、嘘ではなかったのだと思いました。ブラジルは、日本の夏の蒸し暑い気候がずっと続きます。昼間でも20度を下回ると寒いと感じますし、夜中10度以下になると“10年に一度の寒気”とニュースになります。住んでいた場所は雪が降らない地域でしたので、日本に来て初めて雪を見ました。雪合戦は楽しかったです。

 

― 休日の過ごし方は?

通訳スクールに通って、英語⇔日本語の通訳を勉強しています。いつか展示会などで通訳が出来たらいいなと思っています。あとは散歩も好きですね。馬込桜並木通りは、春になると桜が綺麗で、歩道も広く、自然を感じることができるので、気に入っています。

 

― 今後やってみたいことは?

(教員免許取得前の)昨年、学校現場にいられる仕事としてICT支援員を見つけました。本業でIT関連の仕事に従事しているので、教育機関でも知識を活かせるのはとても嬉しかったです。今後も何かの形で関わることができたらいいなと思っています。

 

― 最後にお聞きします。ペドロさんにとって、人生の転機はいつですか?

▲インタビュー終わりにペドロさんと

そうですね。来日するために、諦めずに国費留学生の試験を4度受験したことです。一番頑張った時期ですね。当時、受験資格最終の20歳で合格できた時は、とても嬉しく、大きな転機になりました。

 

流暢な日本語で語る陽気な笑顔の中に、常に向上心があり、頑張るペドロさんの姿勢に元気をもらいました。そして、地球の反対側から来日し、社会も経験した魅力的なお兄さんのようなペドロさん。彼が自分の学校にいたら、将来の可能性を広げてくれる存在となり、生徒たちにとってどれほど心強いだろうと思いました。

(隣の外国人実行委員 柴田 桂)

 

 

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