ラホ・ヌマさんの出身地パプアニューギニアはオーストラリアの北に位置する、日本と同じ島国です。海も山もあり、自然が豊かで素敵な国です。地域によって自然環境や文化にも特徴があり、多様性に富んでいます。
沿岸部に在住する方は背が高くてすらっとした体つきの方が多く、山間部に在住する方は背が低くてがっしりとした体つきの方が多いなど、外見でどこ出身かわかってしまうくらい違いがあるそうです。
ラホ・ヌマさんは、沿岸部出身で、背が高くすらりとしていました。
私が日本へ来たきっかけ
高校生の時、修学旅行で初めて来日したそうです。当時行ったのは、大阪と和歌山。たこ焼きがおいしかったと嬉しそうに話していました。
ラホ・ヌマさんの母国であるパプアニューギニアも、日本と同じく地震が起きる国です。修学旅行では津波の理解を深めるプログラムに参加したそうです。
(神田川沿いの公園にて桜をバックに)
その修学旅行を機に、日本に留学したいと思いはじめました。日本語や日本の文化、日本の技術の進歩やテクノロジーに興味があり、それらについて勉強するために再び日本にやってきました。
現在は専門学校に通っており、これからさらに工業の分野を学ぶため日本の大学への編入準備をしています。
日本での生活はどうですか?
日本語学校や専門学校、バスケットボールチームの友人など、たくさんの友人に囲まれ楽しく過ごせているそうです。
日本のいいところは何よりもやっぱり、「治安がいいこと!」なんだそう。日本は安全でとてもいい場所なので、安心して楽しめると話してくれました。
日本では学校のバスケットボールチームに所属し、活発に活動されています。大田区にはバスケットボールができる場所が複数あり、よく友人とプレイをしに行くそうです。
羽田地区にはスポーツができるエリアがあるので、そこに行くのが楽しいと話してくれました。
この夏はバスケットボールの試合を見に行ったり、富士山に登頂したり、アミューズメントパークに行ったりと、日本でできた友人と充実した留学生活を送っているラホ・ヌマさんの行動力と情報収集力に圧倒されました!!
(高尾山にて友人と)
そんなラホ・ヌマさんも、母国を離れ日本で生活する中で、家族や友達に会えないため寂しく感じることもあるそうです。時には、「母国語だったらもっと上手く伝えられるのに…。」と感じることもあると、もどかしそうな様子で話していました。表現や、育ち方、習慣が違うため、文化の壁を感じることもあるそうです。
大田区との関わり
大田区では区内在住等の外国籍の方を「国際都市おおた大使(愛称:来~る大田区大使 Cool OTA-KU ambassador)」として任命し、大田区の魅力を世界に広くPRしていただいています。
大田区ホームページ:国際都市おおた大使(来~る大田区大使)
ラホ・ヌマさんは令和3年度から国際都市おおた大使として、SNSで大田区のおすすめスポットやGOCAでの活動を紹介してくれています。この活動を知ったきっかけは学校の先生の紹介だったそう。
ラホ・ヌマさんは動画や写真の撮影や編集が趣味で、その趣味の技術を生かせると思い、大使への応募を決めたそうです。また、ラホ・ヌマさんはGOCAで開催した初級日本語講座を受講したり、センター内の情報・交流コーナーに設置する世界地図を制作したり、様々な形でGOCAと関わってくれています
世界地図を制作した際は、「情報・交流コーナーの企画に参加できて楽しかったです。世界地図のデザインをやってみて、とても勉強になりました。
特に、印刷会社の方とお会いしたときに、印刷と言っても、さまざまな種類や方法があることを知りました。そして、実際に完成した世界地図はとても素晴らしいものでした。」といった感想をくれました。
(おおた国際交流センターの情報・交流 コーナーにて、
同じく国際都市おおた大使のシーワイサイ スックサワイさんと)
そんな活動的なラホ・ヌマさんですが、パプアニューギニアの友達が日本に来たことはまだないそうです。もし遊びに来てくれたらどこに行きたいですか?と質問すると、「北海道とか、大阪、東京に行ってみたいです。でも、北海道はパプアニューギニアより寒いからびっくりするかも…。」と答えてくれました。
これからの夢や目標
現在、大学への編入を目指して勉強中のラホ・ヌマさん。そのための日本語能力試験の勉強を頑張っています。今抱えている不安は?の質問に、「その試験が不安。」と答えてくれました。
そんなラホ・ヌマさんに夢について尋ねてみました。
「まずは、仕事に就いて家族のサポートをすることが目標です。」
「将来は、機械設計などの勉強をして、工業の分野の仕事に就きたいです。」
「障害のある人のサポートや、コミュニティに貢献できるデザインしたり、ものづくりをしたりしたいと考えています。」と将来設計について話してくれました。
ラホ・ヌマさんの優しい人柄がうかがえる素敵な夢の話を聞かせていただきました!
(パプアニューギニアの独立記念日の9月16日に
日本工学院専門学校 蒲田校の前で)
遊びも学びも全力で、パワーみなぎるラホ・ヌマさん。離れていても家族を思う気持ちや、目標の先に家族がいることがとても素敵だなと感じました。
特に、「寂しさを感じることもあるけど、友達がいるので楽しい。」と、とても嬉しそうに友人についてお話しする様子から、人と関わり合ってこそ生活が充実するのだと改めて気付かされました。
言葉の壁はあったとしても、世界中どこへ行っても、人との関わりを大切にする気持ちは忘れてはいけないと思いました。
ラホ・ヌマさん、貴重な時間をありがとうございました。これからも頑張ってください!
「隣の外国人」実行委員 鈴木 舞名